見込み客リストへのアプローチ方法~士業の悩みを解決する差別化戦略

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リストマーケティングは、見込み客リストを自動的に入手する仕組みを作って終わりではありません。ここから営業の仕組みを作って行かなくては、せっかくのリストを全く生かすことは出来ません。リアル営業と同じように仕組みを作ることが最も重要です。

前回の記事でブログで集客して、ランディングページ(LP)からホワイトペーパーと引き換えにメールアドレス(リスト)を集める一連の流れを説明しました。

こうやって徐々に集めたリストに対して、次に行なうことは何でしょうか?

まずはダウンロードに対するサンクスメールをして、それから何かお困りごとは無いですか?と相談に持ち込むんですよね?

高橋さん

もちろん最終的な目的は商談に持ち込んで受注することです。しかし見込み客の心理的な状況を見誤ると、せっかく集めたリストが無駄になってしまうかもしれません。

この記事ではリストを収集した後、どのように問合せフェーズまで持っていくか流れを説明します。実は受注を軸にしたWebマーケティングでは、この仕組み作りはかなり重要なポイントですので、最後まで必ずお読み下さい。

見込み客へのアプローチ

アドレスが徐々に収集できるようになると、「よし、これで営業を開始するぞ!」と心がはやりますが、ここからは見込み客の心理的な流れが重要になります。

まだ見込み客ではない

実を言うとアドレスを収集した時点では、そのユーザーはまだ見込み客ではありません。単に最初の接点を残しただけです。

彼らの心理を順を追ってみてみると、

  1. 悩みを解決できそうなサイトがあったぞ
  2. (記事をいくつか読んで)結構良さげなことを言ってるなぁ
  3. なんだ?「〇〇〇を解決する方法」ってバナーがあるぞ
  4. ほうほう、なかなか説得力のあるページだ
  5. 無料で解決方法の解説マニュアルがダウンロードできるのか!
  6. 無料だし、とりあえず見てみよう!

となります。

この時点ではブログコンテンツに対して少々の評価と、情報が無料であるという点にしか目が行ってません。つまり皆さんに対しては、信頼も評価もほとんどしていません

信頼と評価を高める方法

では皆さんへの信頼や評価を高めるにはどうしたら良いでしょうか?

必要なのは 教育 です。

教育とは具体的に言うと、皆さんに対する信頼度や評価を高め、皆さんが発信する情報を真剣に聞く状態にする教育です。一言でいうと共感してもらうことです。サイト訪問者の悩みを解決するためのノウハウを教育する訳ではありません。

教育の一番のメリットは、実際にお会いする前に事前に皆さんへの信頼と評価を高めておくことで、競合会社や事務所のサービスと比較検討することなく、高い確率で皆さんに一択で相談や問合せをするようになります。

なぜならば皆さんは彼らに対して自身の考え方や思い、人柄を伝える教育を既にしてきました。人間は良い印象を持つ相手に対しては、無意識に心理的なハードルを下げて話を聞いてしまう習性があります。

営業を仕掛けるタイミング

皆さんとアドレスを残してくれた方との関係性は、この時点で他の競合とは比較にならないほど強くなっています。

アドレスを残した時点では無料というキーワードに目が行っただけですが、その後の教育を通じて、皆さんの自身の人間性やスキル、考え方などに対する信頼や評価が高まっています。

その状態になって初めて個別相談会や有料セミナー、お試し導入などリアルな営業提案に持ち込むと、成約率は驚くほど上がります。

MEMO
私の知り合いの心理カウンセラーや社労士の方も、営業はこの流れで行なっています。ブログや広告、ホワイトペーパーを使って収集したリストに対してメルマガやステップメールを配信します。そしてタイミングを見計らって有料セッションやセミナーの募集を行い、中長期契約を中心に営業を展開しています。

アプローチの方法

教育を行なう際のアプローチのやり方は複数ありますが、最も用いられてるのメルマガとステップメールです。名前は聞いたことあると思いますが、メルマガとステップメールの違いをご存知でしょうか?

ステップメールは「ある時点(資料請求日、申込日、初回購入日など)を起点として、あらかじめ準備していた複数のメールを、短ければ1週間、長ければ数ヶ月のスケジュールに沿って、順次配信する仕組み」のこと。

メルマガは新商品の情報やキャンペーン情報などを即時、もしくは定期的に顧客に伝える施策です。楽天やAmazonなどのECサイトで何かを購入した際、各店舗から送られてくるメールがメルマガの代表例です。退会処理をしない限り、基本的には永続的に配信される。

出典:https://jp.marketo.com/content/how-to-write-stepmail.html

簡単にまとめると、メルマガは配信したい時に配信できるアプローチ手法。ステップメールは最初から配信回数とタイミング、そして文面を定めて配信するアプローチ手法です。

高額商品の購入を即すビジネスの場合、見込み客の心理を想定したシナリオを綿密に組んだステップメールが有効ですが、士業やコンサルタント、BtoBのスモールビジネスの場合ならばメルマガでも十分だと思います。

メルマガやステップメールの内容について

現代はモノや情報が溢れ返っており、意思決定をする際に「何を」ではなく「誰から」購入するかという点が重要です。特に士業やコンサルティング業の場合、サービス内容は一見すると差別化しにくい業務ですので、特に「誰から」という点は重要になります。

「誰から」という個人のパーソナリティを伝えるためには、一般論や一般的なノウハウを伝えても響きません。そのため自身の体験談を元にした自分の考えを発信する必要があります。

ここで頭に入れておいて欲しいことは、士業やコンサルティング業の本質は知識ビジネスです。つまり知っているか知らないかで、評価される点もかなりあります。そのため他社のセミナーやセッションで聞いたノウハウや知識であっても、良いと思ったならば躊躇せずに発信しましょう。

他社の良いところを積極的に取り入れていくと、それらは最終的に自分自身のものになります。マネ(モデリング)こそが成功する差別化戦略の第一歩です。

モデリングはこちらの記事も参考になります。

競合の強みを消す方法を徹底解説~差別化を図るマーケティングとは

教育効果の高いテーマ

皆さんのパーソナリティを伝えることの出来る、最も効果の高いテーマは下記の三点です。

  1. 理念を伝える
  2. 背景のストーリーを伝える
  3. 新しい気付きを与える

これらのテーマを一般論ではなく、皆さん自分自身の言葉で書いて行きます。別に立派なことを書く必要は全くありません。大事なことは皆さんの意見に共感してもらうことです。

理念を伝える

理念を伝えるとは、皆さんがどのような考えで今の業務に携わっているのか、読んでる方にどのようになって欲しいのか、自分はこの先どのようになりたいのかなどを伝えることです。

例えばお客さんから言われて嬉しかった時の事をもとに、自身の業務に対する考え方やどう思ったのかという話は、理念を伝えやすいテーマです。または自分の夢はこうで、そのために今は〇〇を意識して行動しているといった話も、皆さんのパーソナリティを伝えやすいと思います。

理念を伝える場合、考え過ぎると一般論になってしまいがちです。難しいことや立派なことを書く必要はありませんし、逆にそのような内容には人間味がなくなってしまうため、皆さんのパーソナリティが全く伝わりません。

背景のストーリーを伝える

結果は関係なくどんな案件でも、今から考えるとこうやれば良かった、ああやれば良かったと思うことはあると思います。当時の背景と今の考えを対比させた話は、皆さんの考え方や人柄が自然に出やすくなるテーマです。

またクライアントの立場からは見えにくい裏話なども、人柄を伝えやすいと思います。

新しい気付きを与える

皆さんはサイトに訪問した方からすると専門家です。最初の接点はユーザーが抱える悩みや課題の解決策でしたが、皆さんは特定分野の専門家として、当然それ以外の知識や経験もあります。それらを切り口を変えて伝えてみましょう。

例えばニュースに取り上げられた事件について、自分の知識や経験を踏まえた意見というのもパーソナリティが伝わりやすいテーマです。参加したセミナーの感想なども、皆さんが何を重要視しているのかを伝え易い話だと思います。

教育する期間と配信頻度

メルマガやステップメールを配信する期間ですが、特にベストな期間というのはありません。メルマガは基本的に継続するものですが、ステップメールは最初にシナリオを設計する段階で期間を決めます。

配信頻度については扱う商品やサービス、顧客ターゲットによって異なるため、一概にベストな頻度というのはありません。しかし一般的に継続するメルマガは一週間に二回程度ステップメールは毎日~二・三日に一回程度というのが多いと思います。

そのため期間と頻度は実際にやり始めて、顧客の反応を見ながら決めて行くのが最も良いやり方です。

まとめ

今回の記事ではサイト訪問ユーザーのアドレスを収集してから、見込み客にするために共感してもらうための教育方法と、彼らへのアプローチ方法についてまとめました。

リストマーケティングは仕組みを作るまでに、確かにやることが沢山あります。しかし一度仕組みを構築すれば、後は自動的に見込み客リストが積み上がって行きます。

そして今すぐにでも始めるべき一番の理由は、高い実績を上げている仕組みにも関わらず、士業やコンサルタント業で導入している競合がほとんどいないということです。是非とも皆さんもこの記事を参考に、リストマーケティング導入を検討することをお勧めします。