おしゃべりな奴は嫌われる~聞き上手が潜在ニーズを引き出す

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潜在ニーズと営業

男のくせにしゃべり過ぎ

「男のくせにおしゃべりな奴」なんて言葉がありますよね。

はっきり言うと、「あんた喋りすぎ」というかなりストレートなお叱り言葉。

実はこの言葉の裏には「あんたの話なんか聞いてない、私の話を聞きなさい」という女性ならではの強い思いがあります

商品説明は押し売りと同じ

これって実は営業の現場でも全く同じ。

営業提案する側はどうにかして買わせたい気持ちから、商品説明という名目の「押し売り」を一生懸命する人が圧倒的に多いんです

営業される側の気持ち

しかし、ここで冷静に考えてもらいたいのが、営業される側の気持ち。

 

彼らは実際に「ちょっと興味があった」から、あなたと会ったり話を聞く時間を作ってくれました。

にもかかわらず、多くの営業担当者は予算はどの程度かとか、購入時期はいつだとか、他のお客さんは上手くいったとか、自分たちの都合の良い話ばかりします。

お客さんがなぜ興味を持ったのか、そしてその理由について突っ込んで聞き出そうとする営業マンは少数派です

MEMO
商品説明が全て一方的な押し付けということではありません。しかしお客様の考え方をきちんと引き出す前に商品説明をしても、お客様のニーズや要望に合致していなければ、結果的にその説明は一方的なものになってしまいます。だからこそ最初は話を聞くこと、その次に話をするという順序が大切になります。

人の本質とは

マウントを取りたい

人間は本質的に自分の存在をアピールしたい生き物。

人の話を聞くより、自分の話を聞いてもらいたいって思う人が圧倒的に多い。

言い換えると常に上位に立ち、マウントを取りたいんです。

 

つまりお客さんも聞き手に回るのではなく、自分の要望や要求を本当ならばもっと言いたいという気持ちが本能的にあります。

にも関わらず、営業の現場では無意識にマウントを取ってしまい、一方的に会話の主導権を握ろうとする営業マンが本当に多い。

 

商品やサービスを金を支払って購入するのはお客さん。

特に高額商品の場合、大きなお金を支払う決断をするには相当な勇気がいります。

だから不安を払拭するために、もっと話を聞いて欲しいし、自分のことを理解して欲しいんです。自分が納得できるよう、信頼できる人から商品やサービスを購入したいんです。

しかし実際には多くの営業マンは無意識にマウントを取ってしまうため、お客様は結局はどこから買えばよいのか迷った挙句、一番安い見積もりを選んでしまったり、最悪の場合は購入そのものを止めてしまいます。

お客さんに信頼してもらう

彼らの心を動かして、勇気を振りぼって行動してもらうためには、その選択は間違っていないと信頼してもらうしかありません。

つまり相手を説得するのではなく、相手に信頼してもらうことが一番重要なポイントなんです。

MEMO

「お客様の信頼を勝ち取れ」営業現場ではこのような言葉をよく聞きます。しかし具体的にどうすれば良いかと言えば、誠意を尽くすとか納期を守るといったお決まりなことばかり。もちろん誠実に仕事をすることは大切ですが、それ以上にお客様の課題や悩みを解決することが重要だと思います。そのためには質問をして現状や課題を把握することが必要です。

本音を話せる関係

信頼してもらう一番の方法は、本音の話ができる関係になることしかありません。

しかしどこの誰か分からないあなたに対して、いきなり悩みや本音を語りだす人はいませんよね。

つまり本音や課題といった個人的なテーマを話してもらうには、引き出すためのスキルが必要。

 

例えば、リクルートはお客様に質問をたくさん投げかけ、課題や弱点を洗いざらい理解することに最も力を入れています。

それはお客様の課題解決が最優先されるというカルチャーが根付いているから。

お客様の深層部分の課題や弱点を見つけ、それを解決することで得られる招来のベネフィットを課題解決案として提案するのが、リクルート流のコンサルティングセールス。

もちろん営業なので最終的にはセールスに結びつけますが、提案は課題を解決するという点にフォーカスしているため、競合他社とコンペになった場合、明らかに次元の異なるレベルで提案ができるのです。

これがリクルートが営業に強いと言われる理由でもあります。

 

つまりトークが上手い「おしゃべり」さんより、

トークは下手でも常に相手のことを一生懸命に考えて、話を聞いてくれる「朴訥(ぼくとつ)さん」の方が、お客さんには信頼されるということです。

 

売れるヒアリングのやり方はこちらの記事から

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