話のうまい営業が売れない理由~商談の8:2の法則

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商談の中身を考えてみる

唐突ですが、お客様と商談をする際、あなたとお客様の話す割合について考えたことはありますか?

恐らくそのような視点で商談を捉えたことがある方は少ないかもしれませんね。

 

実は自分で思っている以上に、営業する側の人は商談中に話しています。

8:2の法則とは?

まずは挨拶から始まり、会社紹介をして、商品やサービス紹介を始め、他社の導入事例を説明して、、、

といった感じで話をしてしまった結果、「すみません私ばかり話してしまって、、、」なんてフレーズを言ってしまった経験をされた方も多いのではないでしょうか?

 

しかしこのようなスタイルの商談の場合、商談中に話す割合は営業担当者が8割、お客様は2割程度でしかありません。

お客様が会ってくれる理由

情報収集ができなかった時代

このスタイルはオフィスにインターネットが普及する以前ならば、全く問題ありませんでした。

 

インターネットが無かった時代、営業される方は情報収集が簡単には出来なかったので、商談に来る相手がどんな会社や人なのか分かりません。

名刺交換をした後に会社紹介や過去の実績などを話すことは、お互いにとって最初の信頼関係を作るために必要だったんです。

事前に情報が知られている

しかし現在は、テレアポや問い合わせがあった時点で、電話越しで検索する人が大半。

電話をしながら先方がこちらのWebサイトを見て、逆に質問されたりすることも普通にあります。

 

つまりお客様は会う前にあなたのことも、商品やサービスのこともある程度は知っています。

時間を設定してくれた理由

その上で敢えてあなたと会うということは、すでにお客様の考えの中に、何かしら時間を設定するだけの理由が確実にあります。

 

つまり時間を取ってもらえたという時点で、すでに何かしらのニーズがある可能性が高い訳です。

にもかかわらず、多くの営業担当者は明確な目的もないまま会社説明や商品説明、過去の実績説明などをやってしまいます。

MEMO

ここで問題なのが、営業担当者は明確な目的も意図もないまま会社説明を長々とやってしまうという点。このような担当者を数多く見てきましたが、初回商談とはこのようなものだという意識でやっている感じでした。

初回商談の目的

最初のイメージ

人は最初に合った瞬間のイメージが最も強く残り、そのイメージが印象の大半を決めてしまうと言います。

 

つまりWebサイトなどの情報はある程度見ていたものの、実際に商談で初めて会った時の印象が、お客様の中では先々において一番強く残ります。

その大事な初回の商談の際、全く必要のない会社案内や過去の実績、商品やサービスの説明などをする営業担当者が圧倒的に多いんです。

その結果、気持ちよく商品説明はできたし、お客様も興味を持って聞いてくれたと感じたものの、見積もり依頼だけで終了してしまう商談が圧倒的に多くなります。

商談の目的を変えてみる

しかし、もし最初の商談でお客様がアポを設定してくれた理由や、興味を持ってくれた理由などを聞くことに注力していたらどうでしょうか?

 

初回商談の目的を営業ではなく、お客様のヒアリングへと視点を切り替えるということです

お客様が時間を取ってくれた裏には、意欲の高い低いはありますが、必ず何かしらの理由があります。

ですので会社案内や商品の説明をする時間を最小限に減らし、興味を持ってくれた理由を聞き出すことに注力します。

正しい8:2の法則

実はこのやり方は私がリクルート時代に学び、現在まで意識している初回商談の法則です。

そして企業リサーチの商談の場で企業のセールスマンと相対する際、やはり成長している企業のトップセールスマンの多くは、このようなスタイルで商談を進めようとします。

このやり方を意識して商談を行うと、商談中に営業担当者が話す割合は約2割、お客様が8割程度まで逆転します。

つまりその分、引き出せるお客様の情報量が圧倒的に多くなります。

商談は情報収集の場

商談の目的は二種類あります。

一つは営業、もう一つはヒアリングです。

しかし多くの営業担当者は営業ばかりに目が行き、ヒアリングは予算や納期といった事務的なことが中心。

購入する理由などを聞いても、表層の答えを聞くのみで、その裏にある本当のニーズや課題などを探ろうとしません。

 

しかし商談を営業ではなくお客様の情報収集の場と割りきると、営業フェーズではお客様の課題解決という視点で提案ができるため、提案の質やレベルはもちろん、見積もりの予算も含めて底上げすることができます。

せっかくとれたアポを一度で完結させようとせず、最低でも三回通えば、本当のニーズが見つかります。

逆に一気に提案まで持ち込もうとすると、二度目や三度目のアポが取りにくくなり、見積もり提出のみで終了する可能性が高くなってしまいます。

 

話す割合はお客様が8割、あなたは2割で十分。営業はそれからで十分間に合います。

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