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競争の激しいビジネス環境の中では、自社や自社サービスがクライアントからどのように位置付けられているか、常に考える必要があります。提供しているサービスの質や内容は対して変わらないのに、儲かっている会社もあれば青色吐息の会社もあります。その違いは何なのでしょうか?
毎月たくさんの企業やサービスを見ていますが、内部に入り込んで情報収集してくると、様々な会社の動向が手に取るように分かります。儲かってる会社もあれば、見かけよりも厳しい状況が見え隠れする会社など、ホント様々です。
そんな中で儲かっている会社の商品やサービスは、やはり競合他社よりも優れていると思っていませんか?
高橋さん
しかしその考え方を見直すことで、あなたの会社の売上げは一気に倍増するかもしれません!
この記事では予算をかけずにポジショニングを見直すだけで、売上げを上げることができる方法について説明します。特にコーチやコンサル、士業などの無形サービス業の場合、ポジショニングと営業戦略を見直すだけで競合との差別化に繋がり、ビジネスが一気に好転することがあります。
この記事の目次
ポジショニングと営業戦略の関係
ポジショニングについては過去にいくつか書いてきましたが、今回はサービスと言う無形商材を扱うビジネスに関連して説明します。
ポジショニングについてはこちらの記事も参考になります。

無形サービスは原則的にお客さんの幅が広いビジネスです。
例えばBtoB業界では機械部品のような有形商品の場合、使える用途はほぼ限定されてしまいます。BtoC向けの有形商品も同じく、ターゲットは最初からほぼ決まっています。
ポジションニングの秘訣はプラスα
しかしサービス業は商品に形が無いため、提案方法を変えるだけで様々なお客さんにアピールすることができます。
例えば税理士さんの場合、一般的には中小企業をお客さんにする場合が圧倒的に多いと思います。しかし不動産賃貸経営の知識やノウハウを持っていれば、大家さんに特化した展開もありえます。風俗経営のノウハウを知っていれば、風俗業に特化した節税アドバイスができる税理士という展開もありえます。
つまり核となるサービスにプラスして、何かに特化したノウハウやスキル、または個人の強みがあれば、それらを足すだけで新しいポジションが作れるのがサービス業の強みです。
これは言われてみると当たり前のことなんですが、実際にこの考えでビジネスを行なっている方は圧倒的に少数派です。
ポジショニングが営業戦略そのもの
次に営業戦略について考えてみましょう。
営業戦略とは「誰に対して、何を、どのチャンネルで販売していくか」ということですが、無形サービスの場合はポジショニングを自由にできること自体が、営業戦略的には一番の強みになります。
つまり一番売りやすい相手に合わせて、自分の核となるサービスにプラスする要素を変えた商品を販売すれば良いのです。
販売は最初はネット展開をお勧めします。ネットで小さくとも結果が出た後、より大きな広告展開やリアル展開も考えれば良いのです。まずは売りやすい相手に売りやすいサービスを開発し、テスト販売することが最優先です。
考え方の一例を挙げてみますね。
- 仕事はアパレル販売の30代の女性が副業を考えていました
- 以前、彼女はカラーコーディネーターの資格を取っていた
- 彼女は数年間恋人がおらず、婚活アプリを使っていた
- アプリでは写真で損している女性が多いことに気が付いていた
- 実は以前、友人から婚活写真のアドバイスを求められたことがある
- 婚活アプリ専門「奇跡の一枚コーディネートアドバイザー」ってあり??
- 試しに個人スキル販売アプリに出したところ、すぐに依頼があった
- 何件かこなすうちに、ユーザーの要望や希望が分かってきた
- ビジネスとしてやってゆけるのではないか
- ブログとSNSを使ってテスト販売を開始
彼女の専門分野はファッションとカラーコーディネートです。しかし単にファッションやカラーの相談を受けますと言っても、誰も興味は持ちませんよね。しかし彼女は自分も使っていた婚活アプリで、写真で損をしている女性が非常に多いことに気が付いていました。
内面の魅力が高まる大人の女性の場合、その魅力を写真で伝えきれていない方が多いと言うのは、実は私も女性の友人から聞きました(笑)
そこで彼女は自分の核となるファッションとカラーを軸に、ターゲットを婚活アプリを使っている大人の女性に絞り込み、モテ率が上がる「奇跡の写真」を撮影するためのノウハウを販売することを考えた訳です。
この例で売りやすい相手として挙げたのは、「婚活アプリに登録している」「大人の女性」です。実は婚活アプリでは年齢も「いいね」をもらえる大きなポイントであり、いくら魅力的な女性でも年齢で弾かれてしまうケースが多いそうなんです。
この例の場合、営業戦略はこのようになります。
- 核となるサービスはファッションとカラーコーディネートのアドバイス
- 強みは婚活アプリの中で大人の女性のポジションを知っていること
- 「異性にモテる」ノウハウの需要は高いため売りやすい
- 集客と販売は当面はネットに特化する
このように無形サービスにおいては、ポジショニングと営業戦略は密接に繋がっています。小さな形でテストをくり返し、反応の高いポジションを見つけることが成功するポジショニングの第一歩になります。
こちらの記事も参考になります。

ポジショニングに必要な三つのポイント
サービス内容の根幹は変えず、売りやすい相手に販売できるポジショニングに移るだけで、ビジネスは一気に広がる可能性があります。逆に過去の成功事例にとらわれすぎると、尻すぼみになってしまうかもしれません。
ポジショニングを成功させるためには、三つのポイントを明確にさせる必要があります。
- 自分の核となるサービス
- 売りやすい相手
- 自分の強み
自分の核となるサービス
核となるサービスとは、基本的にはコーチの方でしたらコーチングのスキルになるでしょうし、コンサルの方でしたら得意分野の知識やノウハウになります。又はコンサルティングの手法と言う選択肢もあります。
今現在やられている仕事そのものでなくとも、関連サービスやスキル、又は仕事を細かく分けて、その中の一つのプロセスなども需要があれば十分に核となるサービスとして提供できます。
売りやすい相手
売りやすい相手と商品を探すには、ヤフー知恵袋などで質問事項が多いネタを探すことが基本です。一番良いのはリアルな繋がりの中で相談されたことですが、知恵袋などのQ&Aサイトを丹念に見ていくと、困っている人や悩みといったネタを見つけることができます。
悩みの相談が多いにも関わらず、誰も明確な解決方法を述べておらず、専門家に聞いてみましょうなどのコメントが多い相談はチャンスです。需要があるにも関わらず、一般的にはその解決方法が知られていない可能性が高いと思われます。
自分の強み
次に自分の強みですが、これは今から新しい強みを作るということではなく、過去を棚卸しして探してゆきます。
こちらの記事も参考になります。

例えば上記の女性の場合、婚活アプリを自分も使っているという経験値と、写真で損をしている大人の女性が沢山いることを知っているということが彼女の強みになります。
これら三つのポイントをまずは明確に洗い出し、紙に書き出して下さい。その上で今のあなたが置かれた状況で、誰に何を提供できるか考えてみましょう。
まとめ
強いポジショニングとは一言でまとめると、自分の商品を売りやすい場所で売りやすい相手に販売できるエリアと言うことになります。
以前参加したセミナーで講師の方が言っていましたが、「売りにくい商品を売るのではなく、売りやすい商品を売った方が簡単に儲かる」という言葉の本質が、このポジショニングと言う考え方です。
全く新しいことを始めるのではなく、現状のリソースを生かした場合、どのようなポジショニングと営業戦略が取れそうか、一度考えてみることをお勧めします!