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営業担当者は最終的には数字で判断されてしまうため、営業力を鍛えたいというニーズは常にあります。では営業力を高めるにはどうしたら良いのか?よく言われますが、話の上手い営業マンが必ずしも高い数字を達成している訳ではありません。
私は中途入社した広告会社にいた頃は営業を担当していました。
元々は商品企画やマーケティング業務出身でしたので、実は広告会社の営業職は実は未経験だったのですが、その会社で私はリクルート式のコンサルティング営業を叩き込まれました。
リクルートは営業が強いと言われますが、皆さんはリクルートの営業と言うとどのようなイメージをお持ちですか?
営業力が強いと聞くと、とにかくガシガシ押しまくるパワフルな営業と思っていませんか?
もしそうだとすると、この記事を読み終わる時にはリクルートに対し、全く異なるイメージを持つようになっているかもしれません。
この記事の目次
できる営業マンの特徴とは?
安定して結果を残す営業マンと、毎回苦労している営業マンの違いは何でしょうか?
様々な要素はあると思いますが、私がこの記事でご説明したいのは圧倒的な情報収集力です。
リクルート式の情報収集術
私は前職ではクライアント先へ同行などもしていたので、すぐに慣れるだろうと考えていました。しかし入社して一週間もしないうちに、その考えが浅はかだったことに気付かされたのです。
今までの営業の仕事のやり方と、リクルート式の営業のやり方は根本的に違っていました。
何が一番違うかと言うと、とにかく商談中に
質問が多い
ということ。
- それは何故ですか
- それはどういう意味ですか
- それはつまりXXXXと言うことですか?
など、クライアントの担当者への質問の量がハンパなく多いのです。
そのような営業手法は見たことも聞いたことも無かったので、とにかく驚きの連続でしたが、郷に入らば郷に従えの通り、私も意識して真似るようになりました。
質問をする本当の理由とは
すると、徐々に分かってきたことがありました。
それは質問は「分からないからする」のでは無いと言うこと。
こちらから質問を繰り返すことで、クライアントの担当者は徐々に自分の発言の意味を深く考えるようになります。
すると何の気なしに発言した言葉の中に、今までは当たり前すぎて何も感じていなかったが、実は会社の本質を知る上で重要なポイントが隠されていることが判明してきます。
我々はそのポイントを逐一指摘して担当者と確認、そしてクライアントの部長や役員も含めて情報を共有します。
その作業は一回ではありません。
例えばプレゼンまでに一ヶ月あれば、四~五回は質問があると連絡した上で訪問し、打合せを行ないます。
もちろんそれらの進捗は全て担当部長にも共有、確認してもらいます。
ここまで書いて、勘の鋭い方ならお分かりになりますよね。
クライアントと認識を共有する
質問を切り口にしてクライアントの懐へ飛び込み、両社が一緒になって解決策を考えている雰囲気を演出しているのです。
しかも打合せ中に両社で検討した解決策は、当然ながら最終提案の中に含まれています。つまり最終プレゼンの前に我々とクライアントは、既に認識を共有しているということです。
他社はそのことを知らず、一ヶ月前にクライアントが説明した情報を元に作成した企画案をプレゼンしているに過ぎません。
結果は明らかですよね。
情報量の違いが理解度に繋がる
質問を切り口に何度も担当者と打合せを重ね、認識を共有するやり方の一番の強みは入手する情報量の多さです。
クライアントの情報を競合他社の何倍も収集分析することで、クライアントへの理解度も圧倒的に高まりますし、何よりも担当部長や役員からも一目置かれることになります。
もちろんリクルート式の営業はその他にも特徴はありますが、情報収集量の多さについては特筆すべきことだと思います。

コンサルティング営業とは
このような営業方法をコンサルティング営業ということを、当時は知りませんでした。
コンサルティング営業に必要な要素
ちなみにコンサルティング営業をキーワード検索してみると、
コンサルティング営業とは、顧客の課題や問題点を把握し、それに対する解決策を提供していく営業活動のことです。
ソリューション営業・提案営業と近い意味ですが、コンサルティング営業は「解決策を提供していく営業」、ソリューション営業・提案営業は「解決策としての自社サービス・製品を提供していく営業」という使い分けをされることがあります。
https://www.pasonacareer.jp/knowhow/requirement/sales/1968/
また、
- 売るモノが決まっておらず、顧客に合わせた提案が必要
- 「どのような知識を持ち合わせているべきか」を把握できているかが非常に大切
- 顧客に対する知識を備えられるかが価値を決める
- 顧客の本音を聞き出せるかどうか
- 「とにかく情報を提供する」という感覚ではなく、「どうすれば印象に残せるか」という意識が重要
とのことでした。
定義としては様々でしょうが、全てに通じるのは、クライアントの課題を解決するソリューションを提案するという点です。
課題を抽出するには、クライアントのことをより深く理解する必要があります。
それにはクライアントが考えていること、悩んでいること、実現したいこと、様々なことを事前に聞きだし、理解することが最も重要です。
情報収集力は重要なスキル
私が前職時代に学んだのは
情報収集のやり方
です。
つまり質問という形式をとりつつ、クライアントの本音を引き出す方法です。
質問は分からないことを確認するためのものではなく、相手の深層心理を掘り起こし、重要な情報を整理するためのスキルです。

このスキルは現在の企業調査でも同様です。
我々の企業調査は全て覆面調査ですので、こちらの素性は一切明かさずに、相手の情報を入手します。
それには様々なスキルやノウハウが必要ですが、その土台は全て質問力です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
コンサルティング営業についての定義はネットを探せばいくらでも出てきますが、具体的に何をすれば良いか、説明しているサイトはほとんどありません。
もちろん情報収集力だけが全てではありません。
しかし競合他社の営業と差別化や結果を出すために、意識して情報収集力を高めるトレーニングは必須だと思います。
是非とも皆さんも質問を意識してクライアントと接してみて下さい。必ず得られる情報量が変わってくると思います。