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士業やコンサルなどのスモールビジネスでは商品やサービスでは差別化が難しい場合、ポジショニングがとても重要です。競争力の高いポジショニングを見つけるだけで、競合他社と差別化を図ることが出来ます。
ポジショニングという言葉を聞いた事はありますか?
弱者の戦略として有名なランチェスター戦略でも取り上げられていますが、簡単に言えば競合他社に勝てるエリア(差別化ポイント)を見つけ、そこでビジネスをしましょうということです。
でも具体的に何をすればよいかとなると、簡単には施策アイデアは思いつきませんよね。でもゼロからポジショニングを考えるという時点で、あなたのやり方は間違ってるかもしれません。
業績の良い企業の多くは、自社の強みを発揮できるポジションでビジネスを展開しています。この記事ではポジショニングを行う際、競争力が高いエリアを見つけるために必要な考え方やポイントを説明しています。
具体的な見つけ方ページへのリンクも記載しているので、是非とも最後までお読みください!
この記事の目次
No.1調査とポジショニングの関係
最近「〇〇の国内売上げNo.1」といった広告を良く見ませんか?これらNo.1の根拠を調べるのがNo.1調査です。
一番でないこともあるNo.1調査
No.1調査は特定カテゴリにおいてクライアントが一番であることを証明する調査です。しかし調査を進める過程で、実は一番ではないのでは?ということがあります。
そのような場合、我々に求められるのは、クライアントが一番になるにはどうしたら良いかというアイデアです。
No.1になれる条件を探す
例えば、クライアントのA社はイヤホンメーカーだとします。A社は自社のBという商品の販売数が一番だと考えており、No.1調査を依頼しました。
しかし競合会社の売上げを調査してみると、Bは先頭集団の一社ではあるが、明確にNo.1であるといえない事実が見えてきました。
その時、A社にNo.1ではありませんとだけ伝えてしまったら、その案件は終わってしまいます。そこで我々がすることは、Bという商品がNo.1になれる条件を探しことです。つまりNo.1になれるポジションを探すのです。
競合他社と比較してみる
シェア上位企業の売れ筋商品や販売数、販路、スペックなど様々な情報を比較していく中で、Bのイヤホンは「防水仕様」の中では一番売れていることが分かりました。
またジョギング愛好家の方に好まれるようで、ジョギング関連グッズ売り場での売上げは他社イヤホンよりも圧倒的に多いことが判明しました。
つまりBのイヤホンは一般のイヤホンとしてはNo.1では無いかもしれませんが、このような機軸では高い支持を得ているということです。
- 防水という機能面では既に競争力が高い
- ランナーから圧倒的な支持を得ている
このことはA社の担当者も気が付いていたものの、明確な数字や根拠は持っていませんでした。
つまりNo.1調査を行なったことで、A社は
ジョギング専用 汗にも強い 防水仕様のイヤホン
というポジショニングでは圧倒的なNo.1という押し出し方が出来るようになったのです。さらにここから派生して、よりターゲットを明確にした、このような押し出し方も出来ると思います。
仕事帰りにジムでワークアウトする、意識の高いビジネスマンやエグゼクティブ向けの高機能イヤホン
強みとなる機軸が明確になれば、それに当てはまるターゲットを抽出できます。さらに彼らの趣向やワークスタイルから使用シーンを推測し、ペルソナ像を組み立てることが出来ます。
ポジショニングは見つけるもの
これはあくまで分かりやすく説明しただけですので実例ではありません。しかし実際に調査を進める中で、我々がポジショニングを提案することは頻繁にあります。
この例でお伝えしたいことは、ポジショニングは頭で考えたり作り出すものではなく、既にある事実の中で競合他社に勝てるカテゴリ(差別化ポイント)を見つけるものだということです。頭で考えた自社の強みは、独りよがりになる可能性が高いのです。
スモールビジネスの場合、自社のポジショニングを行なう際にまず最初に行なうことは、あなたの仕事に対する想いや考え方、強みや弱みといったポイントの棚卸しです。棚卸しを行なうと、自分の強みが最も生かせるカテゴリが徐々に見えてきます。
自分の棚卸しにはこちらの記事が参考になります。

具体的なポジショニングの見つけ方
ポジショニングは作るものではなく、見つけるものと書きました。しかし見つけるものといっても、具体的なやり方が分からないと、いつまでも抽象論になってしまいます。
正直にお伝えすると、ポジショニングのやり方は無数にあります。そのためこれが正解だというようなやり方は存在しません。
しかし今まで200社以上の企業を見てきた中で、業績の良い企業の多くは自社の強みを生かしたポジションでビジネスを展開しており、それにはある一定のパターンがあることも分かりました。このブログではこのパターンのうち三つを取り上げてみたいと思います。
これらはそれぞれボリュームがありますので、別々の記事にしてまとめました。
まとめ
いかがでしょうか?
理想を言えば、あなたがポジショニングを行う時は、信頼できる方に手伝ってもらうことをお勧めします。なぜならば、自分の強みとなるポジションを探すためには、今まで培ってきた経験や考え方といった自分の棚卸しが必要になります。
それには第三者に手伝ってもらい、質問形式であなたの考えを深く掘り下げる手法が一番効果的です。
まずは棚卸しを行い、そこから出てきたキーワードを基にして、強みとなるカテゴリを見つけるのがポジショニングの正攻法です。