ポジショニング戦略 ~一番のUSPは売りやすい商品を売ること

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USP(Unique Selling Point)と言うと、商品の良さや自社の技術力の高さなどを上げる企業が多いですが、「売りやすい商品を売る」「お客さんが買いやすい商品を扱う」ポジションを取ること自体をUSPにしている会社もあります。

先週末に以前から気になっていたコーチング関連のセミナーに行ってきました。

もちろんコーチングの手法自体も大切なのですが、参加した一番の目的は、その会社がどのようなポイントを売りにしているのか知りたかったんです。

半分は企業調査ですね(笑)

と、ここまで読んで、ほとんどの方は、

コーチングの会社なのだから、コーチングの質の高さが売りでしょ!

と思われるかもしれません。

しかしそのような考え方は、皆さんの思い込みだとしたらどうでしょうか?

この記事では自社商品にプラスして、「売りやすいポジション」を強みに売上げを伸ばしているマーケティング方法についてご説明します。

中小企業のポジショニング戦略とは

ポジショニング戦略とは簡単に言えば、自社の強みが発揮できるカテゴリでビジネスを行なうことです。

「売りやすい商品を扱う」というUSP

自分だけのオリジナル商品やサービスを提供できれば良いですが、現実は中々そうは行きません。

そのためサービスに付加価値を付けたり、売り方や販路、顧客層を変えるなど、競合他社と差別化しつつ、顧客に選んでもらえる独自のポジションを見つける努力をします。

そのポジションこそがUSPな訳ですが、この会社のUSPは

売りやすいもの売る

というものでした。

つまり集客も販売もしやすい商品を扱うことがUSPであり、この会社のポジションと言うことです。

集客の悩みを解決する

その会社はコーチングの会社ではありますが、実は本当の強みはWebマーケティングでした。

コーチング業界の内情

コーチング業界には様々なジャンルがあり、しかも既に多くのコーチが存在しています。

また、コーチングという仕事内容について、世間一般的には十分に理解されているとはまだまだ言えません。

どれほど優秀なスキルがあろうとも、なかなか仕事に繋がらないコーチがとても多いのです。

つまり、集客に困っているコーチが多いと言うことです。恐らく90%以上のコーチ業の方は集客に困っています。

そして売上げが上がらない理由を自分のスキル不足であると思い、さらにスキルを高めるために投資をしますが、結局は集客の仕組み化が出来ていないため、売上げが増えないというスパイラルに陥ります。

コーチの悩みを解決する事業

ここまで書けば分かると思いますが、この会社は外から見ればコーチ育成ビジネスの会社ように見えますが、内情は集客の仕組み化のやり方、つまりWebマーケティングを教える事業内容だったのです。

つまり集客や売上げに困っているコーチが圧倒的に多いため、集客や売上げアップに繋がる商品やサービスはそれほど営業に力を入れなくとも売りやすい。

その売りやすい商品やサービスを売ることが他のコーチング会社との差別化ポイントであり、独自のポジショニングと言うことでした。

これは言われてみれば当たり前のことですが、実はとても重要なことです。

自分のスキルや経験を売りやすく変える

過去に培ってきたスキルや経験から、自分なりの強みを探すというのが基本ですが、必ずしも顧客がそのスキルや経験を欲しいと思う訳ではありません。

スキルや経験を仕事や売上げに変えるためには、顧客がお金を出して買いたいと思える形に変える必要があります。

この会社のように自社の強みに顧客の悩みを解決するという視点を付け加えることで、新たなサービスを作ることもできます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

競合他社との差別化やポジショニング戦略を考えるとき、私が一番お勧めしているのは、まずは競合他社の上手くいっている事例を調べることです。

例えば今回の事例に関して、言われてみれば当たり前のことですが、実はこの切り口で市場を開拓しているコーチング会社はとても少ないのです。

このことも私自身がセミナーに行き、内情を知ったことで始めて分かりました。つまり他社の成功事例を調べた結果、判明した事例ということです。

今回のような目の前で困っていることを解決するお悩みビジネスは、すぐに売上げに繋がりやすいビジネスです。

こういったお悩み解決という切り口で自社の商品やサービスを捉えてみると、新たな差別化戦略に繋がるアイデアが見つかるかもしれません。