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この記事の目次
競合他社・同業他社の調べ方
他社のことは誰も分からない
あなたは競合他社のことをどこまで知っていますか?
確かに同じ業界に長くいると、何となく競合会社のことも分かっている気になります。
でも、実際には何十年と同じ業界にいる方でも、実は競合他社の内情はほとんど知りません。
実際、競合他社を調べるのは簡単なことではありません。
しかしやり方次第では、競合会社の情報を電話で簡単に引き出せるんです。
この記事では競合他社、同業他社会社の内情を、電話を使って手軽に調べるやり方を解説します。
対象が上場会社と非上場会社や個人ビジネスの場合、やり方が異なります。この記事では上場会社の調べ方を解説しています。
非上場企業や個人ビジネスの内情を調べる方法はこちらの記事をお読み下さい。

競合他社が上場企業の場合
あなたは最初から上場企業は敷居が高いとか、情報を聞き出すなんて無理と考えていませんか?
しかし立場を変えることで、表に出てはいない情報を引き出すこともできます。
IR担当にとって顧客は誰か
規模が大きい上場企業であっても、お客さんあってのビジネスという点では同じ。
上場会社のIR担当にとってお客様とは、会社に投資をしてくれる投資家。
今の時代、個人投資家が非常に増えています。
つまりその企業へ投資を検討している人は、IR担当者にとっては重要な見込み客。
非公開の情報を調べてくれる
上場会社は必ず有価証券報告書や決算短信を公開する義務があります。
しかし、IR担当はそれらの情報を全て熟知している訳ではありません。
現場の担当者でもないため、細かい数字やその背景についての情報も持ってません。
しかし、そのような内容について質問をすると、調べて折り返し電話をいただけることも珍しくないのです。
実際の事例ですが、有価証券報告書では大まかにしか書いていない売上げの項目がありました。
この内訳や、特に伸びている分野、その成長率を聞き出すのが私のミッション。
IR担当はもちろん即答できません。
しかし、こちらの要望する詳細情報を営業部署に確認、その後、折り返し電話をいただきました。
さすがに数字までは明確には教えてくれません。
そこはプロならでは聞き方をして引き出しますが、それ以外の情報はあっさり入手。
もちろん外部には一切出ていない情報。こういう情報が我々のクライアントの経営判断に使われます。
えっ、これだけ?と思われる方もいると思います。
しかしこれだけのことすら、99%の人はやっていません。「知って」いるのと「実際にやる」の違いです。
IR担当は投資家に自社をアピールし、投資機会を増やすことが仕事。そのため基本的には質問に対して好意的です。有報や短信を細かく見ると、実は知りたい情報が掲載されていたということもあるので、まずは内容を確認しましょう
上場会社へのコンタクト方法
では、IR担当へはどのようにコンタクトを取ればよいのか?
業務的なコンタクトの場合、Webサイトのフォーム以外ではコンタクトすらできない企業が増えています。
代表番号しか電話番号を掲載していない企業も増えてきています。
しかしコンタクト先がIR部門の場合、個人であっても投資家という立場ならば、圧倒的に有利なポジションが取れます。
営業目的で代表番号にかけても、繋いでもくれませんが、
川崎
御社に投資を検討している個人投資家の〇〇と申します。
決算についていくつか質問があるのですが、IRの担当者に繋いでもらえますか?
と、代表番号に電話をして伝えるだけで、ほぼ確実にIR担当者に繋がります。
情報を引き出す時に電話を使う理由とは?

質問をする際に必要なポイントとは
IR担当者へ質問をする際、重要なポイントが三つあります。それは
- 有価証券報告書、決算短信のページを事前に確認
- なぜ知りたいのか、こちらのストーリーを作っておく
- 最近の時事ネタを話せるようにしておく
有価証券報告書と決算短信
有価証券報告書は非常にボリュームがあり、担当者も全ては熟知していません。
そのためピンポイントで聞きたい内容が伝わるように質問する必要があります。
川崎
有価証券報告書の〇〇ページの△△の所に記載してある◇◇についてですが、これは具体的には〇〇のことなんでしょうか?
質問が漠然としていると、IR担当も的確な答えを提示できません。
IR文書は投資家向けに書いている、今後の投資の可能性を検討するための情報。
つまり現場レベルで知りたい細かな情報に関しては、それほど網羅していません。
なので現場の担当者へ確認しないと分からない点も多く、的確な質問でないと正確に伝わりません。
ストーリーを作っておく
競合他社を調べる際、まずは相手が話をしやすいストーリーを事前に作ります。
最も使いやすいストーリーは、競合他社を含めて投資を検討しているというもの。
競合他社の名前を上げることで、あえて電話までしてコンタクトを取る理由が明確になります。
他社のことを事前に細かく調べる必要はありませんが、簡単な概要だけでも知識があると、情報を引き出す時の会話が弾みます。
なので話を切り出すきっかけとして、他社の話も織り交ぜると、その先の話に進みやすくなります。
競合会社の調べ方はこちらの記事も参考になります


会話を弾ませるネタ
人とのコミュニケーションで大事なのは楽しい雰囲気。
競合他社を調べるという目的であっても、この原則は全く同じ。
質問を一方的にされるより、新聞やニュースに出ていた情報も含めた雑談の時の方が饒舌になります。
人間は好意を持った人に対して、無意識に饒舌になる傾向があります。
そういう相手に対して、できる限り要望に応えてあげたいという心理も働きます。
そこがポイント。
会話の雰囲気が良い中で、口調は軽めに、しかし質問内容はズバッと投げる。
これを意識的に行うだけで、情報の引き出せる量も質も必ず良くなります。
そういう時に時事ネタは会話の繋ぎや、質問につなげるための引き出しとして使えるんです。
その結果、切り出しにくい質問でも、最近のニュースネタを絡めてさらっと聞くと、思いがけず答えてくれることが良くあります。
楽しい雰囲気を作ると言っても、だらだらと長く話すのは厳禁。また聞き出すポイントは絞らないと、何を聞きたいのか焦点がボケてしまうので注意しましょう。
対応はそれぞれ
上場企業と言っても、IR担当の対応は各社によってかなり違います。
全般的にはベンチャー企業やネットサービス系企業のIR担当は、質問に対して非常に好意的。
逆にオールドビジネス系の企業やシステム系の企業のIR担当は、全体的に対応が冷たい企業が多い感じがします。
IR担当にとって投資家は大事な顧客といっても、企業の体質が大きく影響しているのでしょう。
ですが、あくまでも企業によって対応は異なります。
調べたい競合他社が上場企業ならば、是非ともトライしてみて下さい。
あなたの競合会社が入手していない情報も、案外簡単に引き出すことができるかもしれません。
競合会社のことを調べる時に参考になる記事です


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