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この記事の目次
競合他社を調べる理由
自社より売上げを上げてそうな会社や成長していそうな会社は、やはり気になるもの。
- どんな商品を販売しているのか?
- どんな提案をしているのか?
- 売れている価格帯は?
- どこら辺の層のお客さんに営業をかけているのか?
こういうことが分れば、自社の戦略を見直すための、大きな指針になります。
しかし競合調査の経験が無い企業では、「頑張れば結果は付いてくる」と考える経営者もかなりいます。
「そんな予算は無い」と突っぱねる経営者も多いかもしれません。
事業をスムーズに成長させるには、成功事例をモデリングするのが一番確実でスピーディ。
つまり他社の成功事例を知らず、独りよがりの頑張りだけで結果を出すには、結局は倍以上のコストと時間がかかってしまいます。
大手企業が大手でいられる理由は、常に競合他社を調べ尽くし、成功モデルを社内に取り入れているからに他なりません。
調査そのものが売り上げを上げる訳でも、利益を増やす訳でもありません。しかし海図も持たずに航海する船と、GPSを搭載している船、どちらが優位か誰でも分かります。成長企業の多くは、こういった費用をかけているのが実情です。
競合他社を調べる準備
競合他社を調べる目的は、ズバリ競合対策そのもの。相手を知ってこそ、自分たちの手が打てる訳です。
調査を外部に出す場合でも自社でやる場合でも、まず何をやるか、明確にしなくてはなりません。
競合と自社の違い
まず最初にやるべきことは、自社と競合会社の異なる部分を明確にすること。
まず自社が弱いと感じる点について、競合の仮説を立ててみます。次に自社が強いと感じている点も、同様に仮説を立てます。
これだけでもいくつもポイントは出てくるはずです。
これを綿密に行うことで、調査するポイントを効果的に絞ることができます。
調べるポイント
我々が競合調査を行う場合、主にミッションとされるのはこれらの項目。
- 売れ筋商品の比率
- 商品単価(卸値/実勢販売価格/値引率なども)
- 顧客数と業界別の比率/拡販に力を入れている業界
- 営業/集客のチャンネルと手法
- 自社の強み、弱みはどこか/その理由は
- 競合として意識している会社はどこか/その理由は
このようなマーケティングデータを扱う経験が少ない方が間違えやすいのが、細かい数値について。
例えば
- 5,000万円の売り上げと5,100万円の売り上げの差異
- 販売個数が1,000個と1,100個の差異
- 20%の値引きと18%の値引きの違い
競合調査では、これらの差異はほとんど影響しません。
競合を調べる目的は自社と競合他社の異なる点、他社が優勢な点を明らかにすること。
その上で、どの点を自社がモデリングするか、経営判断をするための情報を入手することが最終のミッション。
つまり、細かい数値に振り回されないことが重要です。
調査と分析のやり方
次に具体的な調査と分析のやり方について解説します。
ここからは表に公開できない内容も含まれますので、ご了承ください。
ヒアリングのやり方
ヒアリングのやり方は、大きく二種類あります。
- 電話で行うヒアリング
- 担当者に直接会って行うヒアリング
情報の精度や鮮度が極端に落ちるため、問い合わせフォームやメールなどは一切使いません。
しかし電話にしろ、直接会うにしろ、競合会社が社内情報などを簡単に教えてくれるわけありません。
ではどうするのか?
相手が答えざるを得ないシチュエーションと背景を作りこみ、その上で答えを引き出すための質問をします。
営業、商談、相談、面接、視察、飛び込み、父兄、コンサル、道を聞く等など、ありとあらゆる可能性を考えます。
このシチュエーションと背景の作りこみ、これは今まで誰一人として公開してこなかった、企業スパイの大きな秘密の部分です。
ここをどこまで作りこめるかが、競合調査プロジェクトの成否を決める大きなポイント。
そして質問のやり方、これはすでに動画メルマガでもメソッドを無料で配信していますので、是非ともメルマガにご登録下さい。↓↓
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質問のやり方についてはこちらの記事がおすすめ


情報を分析し ポイントを絞り込む
ヒアリングを行って得られた情報は、この時点では断片的なものでしかありません。
競合他社の強みや戦略を分析するために、最初に行うことは、大きな一枚の紙にそれらの情報を落とし込む作業。
そして自社の状況も対比させ、同様にシートに書き込みます。
両社の違いをそれぞれのシートに書き込むことで、現時点の違いが明確に見えてきます。
大事なことは必ず視覚化すること。言語では見えなかった差異ポイントが、視覚化することで、明確に見えてきます。
フレームワークに当てはめる
この作業を行った後、競合他社の情報を三つのカテゴリに分類します。これはマーケティングで3Cと呼ばれるフレームワークです。
- Company
- Compeitior
- Consumer
マーケティングのフレームワークは多数ありますが、競合他社を調査分析するには3Cだけで十分。
なぜならば、中小企業が行う競合調査の目的は、競合他社の強いポイントを見つけてモデリングするため。
3C分析は違いを明確にするには最強と言えるフレームワークです。
3C分析のやり方はネットを検索すればすぐに見つかります。しかし実務で使うにはコツが必要。
そのため競合他社を調べる調査・分析で使う3Cの実務メソッドを学べるコンテンツも現在制作しています。
その後の施策
分析した結果、絶対に勝てないと思える圧倒的に強いポイントがある場合、そこに費やす施策の労力はコストは無駄になります。
勝てる見込みのあるポイントに絞り込んだ競合対策をする事が重要。
このように競合調査を行うことで、自社と競合会社の違いが見えてきます。
違いを明確にすることで、無駄なコストを掛けずに、軸のぶれない競合対策を立てることが出来るようになります。
競合他社を調べる方法はこちらも参考になります


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