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営業成績を上げてる人は会話上手と思われがちですが、実際に敏腕営業マンと話すと結構普通の人が多くありませんか?しかし彼らの共通しているのは、会話をしてて楽しいと思わせるスキルです。
私は企業リサーチという仕事柄、営業の方とお話をする機会が多いのですが、
川崎
と思う方に時々お会いします。
逆にこの営業さんはダメだろうなぁと感じる方もいます。
この違いは何だと思いますか?
実は答えはすごく簡単なことなんですが、もしかすると皆さんが考えた答えとは異なるかもしれません。でもご自身の立場になって考えてみると、なるほどねと思われるのではないでしょうか。
この記事では営業時のヒアリングのコツについて説明します。ちょっと視点を変えるだけで競合他社の営業と大きな差別化に繋がりますし、受注率もアップしますので、是非とも参考にして下さい。
この記事の目次
訪問の目的はヒアリング、それとも営業?
初めてのクライアントの会社へ行く時、皆さんの目的は何でしょうか?
相手の真意を探る
これは問合せがあった案件と、こちらからテレアポを入れた場合では先方の意識の強さは異なりますが、基本的にはなぜアポを許可してくれたのか、その真意を探ることが一番の目的です。
既存の取引先ではなく、あえて皆さんの会社と会ってみようと思った理由が必ずあります。その理由を明確にしなくては、何を提案すべきなのか分かりません。
しかし私の経験上、ここで8割方の営業マンは会社の説明や商品の説明を始めてしまいます。
自分が話すのはNG
我々の場合そもそも目的が異なるため、逆にペラペラと話してもらう方が良いのですが、これが本当の営業現場だとすると、クライアントの担当者は一方的に聞き手に回ることになります。
例えば個人間の付き合いでも、自分のことばかりを話す相手と一緒にいると疲れますよね。実は初回の訪問で商品説明を始めるというのは、これと全く同じことなんです。
心理的なガードを下げさせる
先方の担当者も初めて会う営業マンに対して、多少は緊張しています。この時にアイスブレイクと呼ばれるちょっとした導入会話も大事ですが、最も重要なのは相手のことを理解しようという姿勢です。
人間は本能的に自分のことを理解してもらいたいという意識があります。そして自分の話を聞いてくれる人に対して、心のガードを下げる傾向があります。
初回訪問では相手の心理的なガードを下げ、自分に親しみを持ってもらうことの方が重要です。
こちらも参考になりますのでお読み下さい。

ヒアリング時の会話とは
ではヒアリングの時に、具体的にはどのような会話をすれば良いのでしょうか?
切り出すべき質問の一例がこれらです。
- アポを入れてくれた理由
- 既存の取引先についての話
- その会社の商品の話
アポを入れてくれた理由
最も重要なのは、アポを入れてくれた理由です。
問合せがあった場合も当然聞きますが、それ以上にこちらからテレアポしてアポイントが取れた相手については、この確認は非常に重要です。
偶然にも必要だったという可能性は、通常は限りなく低いです。可能性として多いのは、ちょっと興味があったので話だけ聞いてみようというケースです。
大事なことは、クライアントが興味を持った理由は必ずあるという点です。つまりその理由が分からなければ、初回訪問で情報は聞けたし二回目のアポはもう必要ないという事になります。
この点を聞くには、素直に聞いてしまうのが一番です。
川崎
のように明るく聞けば、大概の場合は素直に答えてくれます。しかしこの時点の答えで多いのが
高橋さん
といった差しさわりの無い返答です。最初から心を開いて何でも話してくれる人は多くはありませんよね。
でもこの質問は全てに通じる質問ですので、ヒアリングでは必ず聞くべき質問です。
既存の取引先についての話
次に切り出すべき質問は、既存の取引先からの調達をなぜ止めたのか、その理由です。
一般的にどの会社も新規の取引先は手間がかかるため、出来れば避けたいと考えます。にも関わらず新規の会社の話を聞こうと思ったからには、何かしら理由が必ずあります。
- 値段が高い
- レスポンスが悪い
- クオリティが低い
- 飽きた
- 相見積もりを取りたい
初回訪問では出来る限りこれらの話を聞きだすことが目的です。
しかしこの質問に関しては、少々話の流れに工夫が必要です。
どの会社の商品やサービスを現在使っているのか、最初に聞きます。恐らくこの質問にはスムーズに答えてくれます。
そこで次の質問が重要になります。
川崎
つまりお互いに分かっている同士であり、同じ言語を理解していることを意識させます。この一言で会話の中心がクライアントの事業内容や、今回のアポを入れた理由といった話に楽に進むことができます。
その会社の商品の話
クライアントの商品の話も切り出しやすい質問です。
自社商品やサービスに関係するクライアントの商品について、訪問前に事前に調べた上で質問しましょう。
川崎
全く自社とは関係ない話ですが、この質問をすることでクライアントの担当者は自分の言葉で説明をし始めます。その時に頷きながら話を良く聞くだけで、先方の心理的なハードルは知らず知らずのうちに下がって行きます。
このような雰囲気を作った中で様々な質問をしてゆくと、驚くほど先方の担当者は本音を話してくれるようになります。
こちらも参考になりますのでお読み下さい。自社でやる企業調査~ 簡単に質問力を高められる三つの方法
まとめ
人間は一緒にいて楽しい人間とは良く話しますし、本音を話します。
自分を気持ちよく話させてくれる人間には大事なことも伝えますが、自分から何かを奪おうと考えている人間には心のガードを緩めることはありません。
つまりお互いのことが分かっていない初回訪問の段階で、一生懸命商品のメリットを説明しても相手には届きません。
それよりも相手の会社のことや商品の事を話してもらい、自分の話を興味深く聞いてくれる人間であると認識してもらい、次の訪問に繋げた方が確実に興味を持ってもらえます。
また次回訪問することを前提に、宿題を設定することも約束できます。
是非とも皆さんもこの記事を参考に、意識してヒアリングをしてみて下さい。次のアポに繋がる可能性が確実に高くなると思います。