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営業に行った時以外、クライアントとは会ったこと無いという方も多いかと思います。しかしクライアントは販売先であるだけでなく、大事な情報をたくさん持っている宝の山なんです。それらの情報を聞き出すためには、どうすれば良いのでしょうか?
こんにちわ、マーケティングコーチの川崎です。
営業の方ですと、今まで上司からこのようなことを言われたことありませんか?
- もっとお客さんのニーズを探れ!
- もっと提案してこい!
- なんで受注できなかったか考えろ!
私も前職の広告会社時代は散々言われていました。しかし実際に何をすれば良いのか、社内の仕組みとして教育している会社はあまりありません。
特に今までヒアリングなんてしたこと無い方がいきなりやれといわれても、どうやって良いのか分かりませんよね。
そんな時、それ程難しく考えなくても、実は簡単にお客さんの懐に飛び込むことができる方法があれば知りたくないですか?
この記事では始めてお客さんにヒアリングする際、最初にどのようにして切り込んでいけば話が聞きやすくなるか、その方法を解説しますので、是非とも最後までお読み下さい!
この記事の目次
ヒアリング調査は最初の連絡が重要
企業調査や市場調査の仕事をしていると、毎回のように初めての会社に連絡をすることになります。
事前準備をする
我々の手元にあるのは、案件概要をまとめた調査シートだけです。そして記載してあるのはこれだけです
- 調査対象企業の情報
- 調査対象(商品、チェーンサプライ、営業体制など様々)
- 調査内容(具体的に調べたいポイント)
正直言って、対象企業のことなど全く理解できません(笑)
そのためまずはネットで会社のホームページを調べます。
- 何を作っている(扱っている)会社なのか
- 主力商品は何か
- 顧客の業界は
- 年商や従業員数はどの程度か
- 本社や支店、営業所はどこにあるか
- 社長の年齢は
などなど、いわゆるファクト情報を収集します。
素人に変わりは無い
ただしこの時点でいくらネットリサーチしようとも、その会社の実像を理解することはまず出来ません。
例えば主力商品について、ホームページ上では商品紹介として商品一覧を網羅していますが、実際に話をしてみると主力はその一部だけであった。しかも導入に当たっては細かい仕様があるため、個別販売はしていなかったなど、こちらの想像を超える事実が判明することはいつものことです。
そして一番の問題は、こちらはその業界の素人であることは隠そうとしても隠せないという点です。
話の中で先方はこちらの希望している仕様の詳細や、用途など細かい話を聞いてきますが、そもそも素人ですので分かる訳ありません。
アポが取れる理由
しかしそれでも我々はアポイントを取ることができます。
なぜならば
「相手の話を聞きたい」と熱意をもって伝えるから
素人が付け焼刃で学んだ知識で、プロに勝てる訳ありません。しかもそんな素人を相手に、まともに商談をやろうと考える企業人はいません。
しかし先方の話を電話でまずは聞き、その上で細かい話をもっと聞きたいと切り出すと、思った以上にアポは取れるのです。
つまり相手の事を知るためには、相手の事を知りたいと素直に伝えることが最も重要です。
小手先の手法やコミュニケーション理論などは必要ありません。我々のような業界の素人が、大手企業の部課長レベルからでも情報を聞き出せる一番の秘密は、素直にお願いするからです。
こちらの記事も参考になりますのでお読み下さい。
競合他社に勝つための情報戦略~情報収集力を高めるツール
営業現場でヒアリングに繋げるコツ
次に営業の中でヒアリングに繋げるコツを説明します。
ヒアリングのタイミング
営業でクライアント先へ訪問する時は、何かしら商談がある場合が多いと思います。つまりクライアントも目的があるのでその時間を空けている訳で、目的以外のことに時間を費やすのは本意ではありません。
そのためヒアリングに繋げたい時は、通常の商談とは別途の時間が欲しいとクライアントに告げて設定してもらうのがベストです。
その時に重要なことは、目的を正しく伝えることです。できる限り曖昧な伝え方ではなく、分かりやすく伝えることが大切です。
クライアントも暇ではありません。目的が良く分からないのに時間が欲しいと言われても、迷惑な話です。
ヒアリングの目的
その目的についてですが、営業時の会話で出てきた内容や発言について、もう少し聞きたいという程度で構いません。目的は明確にと書きましたが、実は内容的には大したことない事でも大丈夫です。
それよりも理由をつけてクライアントの元へ行き、自社製品の紹介ではなく、クライアントや業界の情報を聞きだすことが本当の目的です。
このときの両社の立ち位置は必ずこの形にします。
これはクライアントに媚びろと言うのではありません。
200社以上の企業調査を行なった経験上言えるのは、教えることが嫌いな人はあまりいないということです。
特に技術者やエンジニアの方の場合、この傾向は特に強くなります。あまり口外してはいけない話なども、こちらが教えてもらう立場で質問をしていると、ポロッと話をしてくれることが多々あります。
営業は絶対にNG
ヒアリングの時間をセッティングしてくれたクライアントに対して、その場で自社商品の営業をしては絶対にいけません。
時間を作ってくれたということは、両社の関係や取引期間の長さに関わらず、悪い印象は持っていないという証拠です。そして教えて欲しいという皆さんのことは、少なからず仕事熱心な良い方であると認識しています。
つまりそのような関係を継続してゆけば、商品やサービスを提案するタイミングは自ずと増えて行きます。また、新規プロジェクトに対して声がかかる可能性も高くなります。
なのでヒアリングと営業は別物として捉えて下さい。
こちらの記事も参考になりますのでお読み下さい。
競合他社の調べ方 プロが教えたくない、明日からできる競合対策
まとめ
いかがでしたでしょうか?
営業以外でクライアント先へ訪問なんてしたこと無いという方もいると思いますが、最初の一歩だけ勇気を出して連絡してみると、案外簡単にアポが取れます。
クライアントの持っている情報は、皆さんにとっては宝の山です。克服するべき課題や、業界の話、競合他社の話など、こちらが熱心に聞きたいと伝えるだけで得られる情報量は驚くほど変わります。
是非とも皆さんもやってみて下さい。