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この記事の目次
営業研修が無駄な理由
ニーズを引き出せ
昨日は某地銀の女性営業の方からご相談がありました。
非常にハキハキと話をされる方で、親しみやすい雰囲気の女性。
ご相談内容は、お客さんのニーズの引き出し方がよく分からなくて困っているとのこと。
実は行内でも、顧客のニーズを聞き出せと口酸っぱく言われているそうで、営業研修はもちろん、営業マン同士でも質問のロープレなどをやっているそうです。
営業研修の実情
しかし実際の商談で研修やロープレでやった通りに質問しても、まったく商談が進まない。
本当にこれで良いのでしょうかと悩まれていました。
どのような質問の仕方を習ったのか聞くと
- 投資に興味はあるか
- 保険は何に入っているのか
- 老後資金についてはどう考えているのか
など、かなり細かい質問内容でした。
質問ではなく尋問
これを聞いた時に、私が返した答えは
これは質問じゃなくて尋問ですね。
あなたはこの質問内容を見て、どう思われますか?
もしかすると、こんな質問する奴、本当にいるの?って思うかもしれませんね。
しかし95%以上の営業マンはこういった類の質問を本当にしているんです。
その理由は、質問をする本当の意味を理解している人が少ないから。
ニーズを引き出す質問とは
ビジネスで使う質問スキル
質問なんて日常生活でもしてるし、そんなの教えてもらう必要ないと考えていませんか?
実際にそう考えている人がとても多いんです。
しかし普段の会話の中で使う質問とビジネスで使う質問は、大きく異なる二つの点があります。
一つは質問に明確な意図があるということ。
そしてもう一つは会話の主導権を握るということ。
質問は自分が「知らないから聞く、分からないから聞く」のではありません。
相手の本音や考えを明確にさせたり、引き出すために使うツールです。
質問のノウハウ
例えば先ほどの銀行の場合だと
- 投資に興味はあるか
- 保険は何に入っているのか
- 老後資金についてはどう考えているのか
この質問はクローズドクエスチョンと呼ばれる、答えがイエスorノー、もしくは限定的な答えしかない質問。
この手法では答えが明瞭な反面、質問のスキルがないと、そこでコミュニケーションが終わってしまいます。
そのため話を深堀りできず、ニーズを引き出すことはできません。
また答える際に自分の頭で熟考する必要がないので、その人の本音や考えまでたどり着きません。
つまりニーズを引き出すために質問をしているはずなのに、質問のやり方を知らないため、何も情報を引き出すことができないんです。
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目的を確認しよう
私はその場で特に示唆はせずに、彼女に対して質問を始めました。
- そもそもなぜニーズを引き出そうと思ったのか?
- ニーズって何だと思う?
- 過去のお客さんは、どういう時にあなたの提案を聞いてくれたのか?
この中で、私は決して具体的な質問スクリプトを教えていません。
なぜならば質問で重要なのはトークスクリプトではないから。
ニーズや情報を引き出すためには、明確な意図や目的を持った質問が必要です。
彼女の場合、お客さんのニーズを見つける事が目的でした。
しかし上記の質問は、銀行の顧客リストを作るための「イエスorノー・アンケート」でしかありません。
つまり彼女に必要なのは質問のスクリプトではなく、質問をする意図を再確認することだった訳です。
ビジネスで使う質問の目的は、分からないから聞くのではなく、知りたいことを引き出すということ。漠然と質問をしていては、一向に欲しい答えは出てきません。なので、商談前に聞き出したいことをまとめ、質問の流れを一度自分なりに作っておくことをお勧めします。
ヒアリングフェーズと営業フェーズ
その後、それ以外にも色々と話を伺い、次回の打合せのアポを取り付けて終了。
初回相談としては十分な情報を得ることができました。
これが質問マーケティングで言うヒアリングフェーズです。
営業提案フェーズは恐らく次回。
もし昨日の時点でヒアリングもせずに「質問とは云々」と説明を始め、過去の事例や自分の自分の話などを意気揚々と始めていたら、高い確率で
「有難うございました。とても参考になりました」
で終了してます。
質問マーケティング
そうさせないために、私は「宿題」というメソッドをアポの約束の段階で取り付けています。
これも質問マーケティングで教えているメソッドです。
といった流れでヒアリングフェーズで必要なことはとりあえず完了。
次回は最終的なコーチング契約に結びつけるべく、提案を練ることが次の私の仕事です。
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